骨粗しょう症|山川医院|山川医院|京都市下京区の整形外科・内科・リハビリテーション科

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骨粗しょう症

骨粗しょう症の治療~注射編②~

前回に引き続き骨粗しょう症の治療 ~注射編~の2回目です。     今回は月1回製剤、半年に1回製剤についてお話します。 月1回製剤はビスホスホネート製剤(ボンビバ)とロモソズマブ(イベニティ)があります。   ~ビスホスホネート製剤(ボンビバ)~ 以前お話しした内服のビスホスホネート同様に破骨細胞の働きを抑制するものです。 内服と違い、静脈注射であるため効果が出やすいとされています。   ~ロモソズマブ(イベニティ)~ 最近注目されている新薬です。 骨形成を促進し、骨吸収(骨を壊す)を抑えるという良いとこどりの薬剤です。 ただ連続使用は1年と制限があり、休薬した後が再開できます。 また、心臓に病気がある方は心疾患増悪の危険があり使用できません     その他点滴の治療薬もあります。 静脈注射と違い点滴でゆっくり投与するためお身体への負担が少ないです。 生活スタイルや好みに合わせて注射剤を変更することもできますので気軽にお問合せください。     京都市下京区 西七条の整形外科 医療法人山川医院 山川 智

骨粗しょう症の治療~ビスホスホネート編~

今回も骨粗しょう症の治療~内服編~です。   前回はビタミン、SERMについて書きましたが今回は所謂骨粗しょう症薬「ビスホスホネート製剤」について書きます。   骨密度検査で70%を下回ってしまった、骨折をしてしまった等の場合は治療として内服を開始します。 骨折の既往がある方は骨密度が70%以上あっても開始する場合があります。     ビスホスホネートの働きとしては BP製剤(ビスホスホネート)が骨表面(ハイドロキシアパタイト)に吸着される ↓ 破骨細胞が骨吸収を行う際に酸を分泌(pHが低下) ↓ pHが低下することで骨表面に吸着したBP製剤が破骨細胞内に取り込まれる ↓ 破骨細胞内でファルネシルピロリン酸合成酵素(FPPS)を阻害 ↓ FPPSの阻害によってメバロン酸経路が遮断 ↓ 破骨細胞の機能不全がおこる(アポトーシス) と、何のことやら難しいですが、要は「ビスホスホネート製剤は破骨細胞の働きを抑制する」ということです。   それによって骨吸収(骨が壊されること)を抑えて、骨形成を促進させます。   内服の仕方、としては ・毎日内服 ・週1回内服 ・月1回内服 のタイプがあります。 飲み方によって効果は変わりませんが、「毎日じゃないと忘れそう」や「内服は週1回程度がいい」等それぞれによって選んでいただいてよいと考えます。 ただ、通常の内服薬とは違う飲み方ですので注意が必要です。   ・CaやMg等の成分を含むミネラルウォーター(ヴォルビックやクリスタルガイザー等)での内服を避ける お茶や水道水、軟水のミネラルウォーターで内服してください。   ・内服後30分間は横にならず、何も食べない 咽頭や食道への刺激を避けるためです。立ったり座ったりは構いません。   ・噛んだり、口の中で溶かさない 粘膜への刺激を避けるためです。   以上が通常の内服薬と異なる点です。そのため起床時に内服するようにします。 注意が必要な副作用としては 長期内服(3~5年)の場合、 ふとももの付け根の痛み 耳の痒み、違和感(外耳道骨壊死) 胸焼け、嘔吐、吐血、みぞおちの痛み(上部消化管障害) があります。   また、顎骨壊死を引き起こす可能性があるため、歯科治療を受ける際は必ずこ…

骨粗しょう症の治療~注射編①~

今回は骨粗しょう症治療の注射編です。 注射は骨密度の低下が著しい方、内服が煩わしい方にお勧めします。   薬剤によって注射頻度は様々で、主に毎日(自己注射)・週1回・月1回・半年に1回・年1回(点滴)の5種類があります。 (中には週2回のものもありますが・・・。) その中で今回は毎日・週1回の製剤のテリパラチド(PTH製剤)について書きます。   毎日製剤はフォルテオ、週1回製剤はテリボン、という商品名です。 これは副甲状腺ホルモンの作用を利用した薬で、骨の代謝回転のスピードを早くし、骨の質そのものを向上させます。 いつも家に例えてお話していますが、骨=家であれば建て替え工事を行うようなものです。     ~使用方法~ 週1回製剤は週1回来院いただき、皮下注射を行います。2年間継続します。 毎日製剤はご自身またはご家族の方が皮下注射を行います。 最初は看護師がマンツーマンで指導し、練習しますので全く心配はありません。   ~副作用~ 副作用として一番多いのは嘔気です。 週1回製剤で嘔気が出る場合は週2回製剤や毎日製剤に変更し様子をみます。 週2回や毎日の方が副作用出るんじゃないかと思われるでしょうが、その方が1回の薬剤量が少ないため、嘔気が出ないことが多いです。   PTH製剤は生涯のうち使用が2年間と決まっています。(現在は)   病院やクリニックが変わって、「骨粗しょう症のお薬を始めましょう」と言われた際に、 このお薬を使用したことがある方は必ず申し出てください。 また、今まで悪性腫瘍と診断されたことがある方にはこのお薬は使えませんのでご注意ください。   次回は月1回、半年に1回の製剤についてお話します。       京都市下京区 西七条の整形外科 医療法人山川医院 山川 智    

骨粗しょう症の治療~内服編 ビタミン・SERM~

今回は骨粗しょう症の治療薬の内服に関して、です。 骨粗しょう症薬の内服はたくさん種類があります。その中でまずはビタミンとSERMについて簡単に紹介したいと思います。   ~ビタミン~ ビタミンDとビタミンKがあります。ビタミンDにはカルシウムを腸から吸収することを助ける働きがあり、ビタミンKには骨形成を促進し、破骨細胞の働きを抑制する効果があります。   ビタミンDは魚やきのこ類に多く含まれています。また日光にあたることで体内で合成されるため適度に日光にあたることも重要です。   特に冬場は日照時間が減少するため特に意識して摂取するとよいと考えます。日本海側地方や東北地方では他地方と比較して骨粗しょう症の方が多いとのデータもあります。   ビタミンKはキャベツや小松菜、ホウレン草などの葉物野菜や納豆に多く含まれています。   最近巷で言われる「〇つ〇つケア」という商品にもビタミンKが含まれています。   サプリメントであるため処方箋なしで購入できますが、ワーファリン等の抗凝固薬を内服されている方は薬の効果を妨げてしまうため注意が必要です。   どちらもビタミンですのでお薬として単剤では効果は限定的です。予防や少し骨密度が低下している方に使用する印象です。 ~SERM~ SERMというのは「選択的エストロゲン受容体モジュレーター」といいます。   なんだかよくわからないかもしれませんが簡単にいうと「女性ホルモンを改良したもの」です。   女性は閉経を迎えると骨粗しょう症になりやすくなるため女性ホルモンを補充すればいいのだ、という考えのもと女性ホルモンを投与していた時代がありました。   ただ、骨はよくなったが子宮がんや乳がんのリスクが上がるとの報告がなされるようになってきたため、そのリスクをなくし、女性ホルモンを改良したものがSERMです。   脊椎圧迫骨折や大腿骨骨折のリスクを減らす、高い予防効果が報告されています。   ただ、後日説明するビスフォスフォネートという薬剤ほど予防効果は高くなく、骨量減少程度の方や閉経をむかえた直後の方に使用することが多いです。   次回はいわゆる「骨粗しょう症薬」に関して記載しようと思います。 &nbsp…

骨粗しょう症の治療~流れ~

以前3月に骨粗しょう症に関しておおまかな説明しましたが、今回は治療の流れに関してです。 まず骨粗しょう症は治療を行っているからといって転倒や事故でも骨折しないことを保証するものではない、ということをあらかじめご承知おきください。 骨粗しょう症を気にした方がよい方は以下の方です。 ・閉経後の方  ・ステロイドの内服や注射を行っている方 ・やせている方 ・運動不足の方 ・実の母に骨折の既往がある方 ・検診で一度でも指摘されたことがある方 等です。     まずは以上のような項目に当てはまるか問診させていただき、骨密度測定の検査を行います。 他の疾患でレントゲン検査を行った際に骨粗しょう症疑いを指摘させていただくこともあります。 骨密度検査で骨粗しょう症と診断された場合、採血検査も行います。 これによりお身体の状態やどの薬が最適か判断することができます。   治療の方法としては内服・注射+運動療法です。(内服や注射に関しては後日記載したいと思います) 半年に1回のペースで骨密度検査・採血を行い治療効果の判定を行っていきます。 骨粗しょう症は治療をやめると年齢とともに低下していくため、血圧や高脂血症の内服と同様に治療を継続していく必要があります。 血圧やコレステロール値は血圧測定や採血ですぐに測定できますが、骨密度検査は保険上4か月に1回が限度です。 そのためすぐに治療効果が判定できず、骨粗鬆は無症状で進行するため途中でやめてしまう方が少なくありません。 骨折後に後悔してしまうことがないように治療を継続していきましょう。     京都市下京区 西七条の整形外科 医療法人山川医院 山川 智        

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