首の痛み
首の痛み
頚椎は、脳から手や肩に向けての神経信号を伝える頚髄が通る部分で、各頚椎の間にはクッションのような役割を果たす椎間板があります。頚椎椎間板ヘルニアは、この椎間板が破れて神経を圧迫する状態のことを指します。
主な原因は経年による椎間板の機能低下です。頚椎の椎間板は絶えず圧力を受けるため、経年劣化により外側の膜が亀裂し、内部の髄核が飛び出して神経を圧迫します。
通常、椎間板ヘルニアは背中側に向かって突き出ます。これにより脊髄や神経根が圧迫され、脊髄症や神経根症と呼ばれる異なる症状が現れます。
脊椎圧迫骨折の治療方法には、保存療法と手術療法があります。
・保存療法
頚部の安静を保ち、必要に応じて頚椎カラーを使用します。薬物療法には非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩薬が含まれ、温熱療法や頚椎牽引も行われます。痛みが強い場合には神経ブロックも検討されます。
・手術療法
保存療法が効果的でない場合は、手術が考慮されます。
首は頭を支え、上下左右に動かすために頸椎と呼ばれる骨で構成されています。この頸椎には椎間板があり、これが変形することで頚椎症が発症します。主な症状は慢性的な首こりで、めまい、冷え、歩きにくさ、更には排尿障害などが伴うこともあります。首の不調を感じたら、一度ご相談ください。
頚椎症は主に加齢などによって頚椎の椎間板が変形することで引き起こされます。この変形は40歳代から現れ、年齢とともに進行し、症状も重くなっていきます。
(1)首や肩甲骨周辺の痛みや肩こりがあり、首を動かすと痛みが増したり、動きが制限されることがあります。(局所症状)
(2)特定の側から首から肩、腕、手にかけての痛み(放散痛)や、しびれ、力が入りにくい症状が見られることがあります。(神経根症)
(3)両手足のしびれ、手指の動きの鈍さによるボタンや箸の使いにくさ、書字の障害が現れ、進行すると歩行の制約、排尿・排便にも影響が及ぶことがあります(脊髄症)
頚椎症の治療法には、大きく分けて保存治療と手術療法があります。
・保存療法
頚椎を安静に保つための頚椎カラー装具の利用や、薬物療法、神経ブロックなどが行われます。痛みが和らいだら物理療法や運動療法が導入され、筋肉のストレッチや強化を促進します。
・手術療法
保存治療が効果的でない場合や、脊髄症の症状がある場合には手術が検討されます。
後縦靱帯骨化症とは、背骨を上下に結ぶ後縦靭帯が骨化し、脊髄を覆う脊柱管が狭くなり、神経症状が引き起こされる病気です。頚椎後縦靱帯骨化症、胸椎後縦靱帯骨化症、腰椎後縦靱帯骨化症と呼ばれ、それぞれの部位によって異なる症状が現れます。
後縦靭帯・黄色靭帯骨化症の原因は外力、加齢、遺伝、代謝などの複合的な要因が関与しています。靭帯の骨化が拡大すると神経が圧迫され、症状が現れます。
後縦靭帯・黄色靭帯骨化症の症状は、背骨の動きの制限、体の硬さ、背中のこりや痛みが含まれます。しかし、これらの症状は一般的なものであり、特定の病気を示すものではありません。注意が必要なのは、脊髄症状である手足のしびれ感や手の動作の不自由さ、歩行障害などです。
後縦靭帯・黄色靭帯骨化症の治療法には、大きく分けて保存治療と手術療法があります。
・保存療法
保存療法には薬物療法や運動療法、理学療法などが選択されます。これらは症状の種類や程度によって調整され、骨化を解消するのではなく、症状の軽減と進行の防止を目的とします。
・手術療法
保存的治療が有効でない場合や脊髄症状が進行する場合には手術が検討されます。手術は症状の進行を抑制するために行われます。
首から腕の付け根にかけて、腕神経叢と呼ばれる神経の束があります。この神経叢や動脈が、鎖骨や肋骨、周囲の筋肉により圧迫されたり締め付けられることで生じる頚部・腕の痛み、手のしびれを総称して胸郭出口症候群と呼びます。
鎖骨や肋骨、筋肉の圧迫により、神経叢や動脈が圧迫されます。狭い領域を通る神経や血管が元々狭い場合や、特定の動作や姿勢が繰り返されることが原因とされます。
腕を持ち上げるなどの動作で腕や手にしびれや痛みが現れ、強くなると手の指にまで及び、握力の低下や細かい動作の難しさが生じます。
胸郭出口症候群治療法には、大きく分けて保存治療と手術療法があります。
・保存療法
良好な姿勢の維持や重いものの持ち上げを避けることが重要です。睡眠やストレス管理も考慮され、症状が出た場合には消炎鎮痛剤の使用や筋肉のストレッチが行われます。
・手術療法
物理的な圧迫が強い場合には手術が選択され、筋肉や肋骨の一部を切除して圧迫を解消します。頚肋が原因の場合には頚肋の切除が行われることもあります。
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