カルシウムは骨を形づくる主役であり、骨粗しょう症を防ぐ上で欠かせないミネラルです。筋肉の収縮や神経の伝達など全身でも働きます。特に女性や高齢者では「骨密度の減少」による骨折リスクが高まりやすく、毎日の食事で不足を防ぐことが将来の健康を左右します。
骨粗しょう症を防ぐには1日800mgを摂れれば安心ですが、厚労省の調査による日本人の平均摂取量は500mg前後です。残りの約350mgは、コップ1杯(200mL)の牛乳とプロセスチーズ1切れを加えるだけで補うことができます。不足が続くと骨がもろくなり、ちょっとした転倒でも骨折につながる恐れがあります。
また、食品によって体への吸収率は異なります。牛乳やヨーグルトは特に吸収が良く、小魚やちりめんじゃこも骨ごと食べれば効率的にカルシウムを取り込めます。骨粗しょう症予防を意識して小松菜やモロヘイヤ、カルシウム入り豆乳などを組み合わせると、無理なく推奨量に手が届きます。
カルシウムは一度に大量に摂取しても十分に吸収しきれないため、食事や間食で「こまめに摂取」することが大切です。運動後の牛乳は筋肉と骨の修復を同時に助け、就寝前のホットミルクは眠っている間の骨づくりを後押しすると言われています。
前回もお伝えしましたが、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨への定着を促すビタミンKも欠かせません。これらの詳しい働きや効果的な摂取方法については、次回のコラムで詳しくお伝えしますので、ぜひご覧ください。
牛乳が苦手な方や乳糖不耐症のある方は、無糖ヨーグルトや硬めのチーズ、カルシウム入り豆乳を選ぶとお腹にもやさしく摂取できます。外出先では小魚アーモンドや煮干しのスナックなど、手軽にカルシウムを補える食品をバッグに忍ばせておくのも良いです。
では、実際にどのように食卓を組み立てればよいか、1日のモデルメニューを紹介します。
1日モデルメニュー(目安850mg)
- 朝食:小松菜のチーズトースト / ヨーグルト
- 昼食:納豆ご飯 / 焼きししゃも(2尾)
- 夕食:鮭のホイル焼き / 豆腐とわかめのみそ汁
- 就寝前:ホットミルク
骨密度は20歳前後でピークを迎え、その後は徐々に低下していきますが、適切な栄養と運動を続けることで減るスピードを緩やかにできます。
当院では骨密度検査を実施し、検査結果に基づいて適切な治療や生活上のアドバイスを行っています。
少しでも気になる症状やお困りのことがございましたら、ぜひ当院へご相談ください。
京都市下京区 西七条の整形外科
やまかわ整形外科・リハビリクリニック
山川智