骨粗しょう症の治療には、骨をつくる力を高める治療(骨形成)と、骨が溶けるスピードを抑える治療(骨吸収抑制)の2種類があります。今回は「骨粗しょう症の治療~注射編①~」「骨粗しょう症の治療~注射編②~」の続編として、骨形成を担う代表的な注射であるフォルテオ(毎日自己注射)とテリボン(週1回)、イベニティ(月1回)について詳しく解説をしていきます。いずれも“骨をつくる側”に働く注射薬で、骨折リスクが高い方の治療として使用されています。
フォルテオ(副甲状腺ホルモン薬)
フォルテオとは、毎日1回のペン型自己注射で、骨を作る細胞の働きを後押しする治療です。背骨だけでなく、他の部位での骨折リスク低下に効果があります。注射直後はふらつく感じが出ることがありますので、座ったまま数分休んでから動くようにしましょう。注射部位はお腹や太ももなどですが、看護師がマンツーマンで指導を行いますので、ご自宅でも同じ流れで続けるようにしましょう。
また、使用できる期間には上限(生涯で2年間)がありますので、期限を守って使用することが重要です。他の医療機関で通院をされていた場合は必ず申し出て下さい。
テリボン
テリボンは、週に1回ご来院いただき、皮下注射で行う治療です。こちらも打った直後は少し休んでから体調を確認していきます。使用できる期間はフォルテオ同様に生涯で2年間と定められており、背骨の骨折を減らす効果があります。通院で実施するため、打ち忘れが起こりにくい点も続けやすさにつながります。
イベニティ
イベニティは月に1回、ご来院の上で注射する治療薬です。骨をつくる働きを高めると同時に、骨が解ける働きも抑える2つの作用を持つのが特徴で、投与期間は12ヶ月と定められています。注意点として、過去1年以内に虚血性心疾患や脳血管障害を起こしたことがある人は必ず伝えていただく必要があります。また、治療期間中は抜歯を伴うような歯科治療も避ける必要があります。
食事と生活習慣の重要性
骨粗しょう症の治療において、注射による治療は骨づくりを後押ししてくれますが、注射だけに頼らないことも大切です。普段の食事でカルシウムやビタミンD、ビタミンKを意識して取り入れること、日常の範囲で無理なく体を動かすことが治療の効果を支える土台になります。食事に関する記事も過去に記載しておりますので、あわせてご覧ください。
当院では、骨密度検査・血液検査などにより現状を確認し、どの治療方法が適しているかを個別に検討し、注射後の過ごし方も丁寧に診療しております。
少しでも気になる方や、詳しく知りたい方は当院へお気軽にご相談ください。
次回は、骨が溶ける働きを抑える“骨吸収抑制”の注射について解説していきます。
京都市下京区 西七条の整形外科
やまかわ整形外科・リハビリクリニック
山川智



