今回は骨粗しょう症の予防に欠かせない「食事」についてお話しします。
骨粗しょう症は骨がスカスカになって折れやすくなる病気です。年齢を重ねるとともに誰にでも起こりうるものですが、日々の食事の工夫で予防できることも多いのです。
骨を強くするためには、「骨の材料」と「骨を作るための補助」となる栄養素が必要です。特に大切なのは、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの3つです。
カルシウムは骨の主成分のため、十分な摂取が必要です。毎日の食事で意識してとりたい栄養素です。牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品はもちろん、小魚(いわしやさんまなど)も骨ごと食べると良い供給源になります。また、豆腐や納豆などの大豆製品、小松菜やモロヘイヤなどの緑の濃い野菜にも含まれています。
しかし、カルシウムだけをたくさん摂っても、体に吸収されなければ意味がありません。そこで重要になるのがビタミンDです。このビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。サケ、サンマ、イワシなどの魚類や、きのこ類に多く含まれています。また、日光を浴びることでも体内で作られますので、天気の良い日には外で軽く体を動かすことも良いでしょう。
そして、カルシウムを骨に定着させる手助けをするのがビタミンKです。ビタミンKは骨を作る細胞を活発にし、反対に骨を壊す細胞の働きを抑える役割があります。このビタミンKは納豆や緑の濃い野菜(ブロッコリー、小松菜など)に豊富に含まれています。カルシウムとビタミンDをしっかり摂っても、このビタミンKが不足していると骨の形成がうまく進まないこともあるので、注意が必要です。
これらカルシウム、ビタミンD、ビタミンKは「骨の三大栄養素」ともいえるので、相互に補いながら骨の健康を支えています。日々の食事でバランスよく取り入れることがポイントです。例えば、朝食に小松菜入りの卵焼きとヨーグルト、昼食に納豆ご飯とひじきの煮物、夕食に魚料理と豆腐を使った味噌汁など、意識して食卓に並べてみてください。
なお、骨粗しょう症の予防には食事だけでなく適切な運動も大切です。また、すでに骨密度が低下している方には、お薬による治療も効果的です。当院では骨密度測定や血液検査で現在の状態を確認し、それぞれの方に合った予防・治療法をご提案しています。
次回ではカルシウムについてより詳しくご紹介する予定です。その後、ビタミンDやビタミンKについても取り上げていきますので、ぜひお楽しみに。
皆さんの骨の健康をサポートできるよう、これからも有益な情報をお届けしていきます。
京都市下京区 西七条の整形外科
やまかわ整形外科・リハビリクリニック
山川智